ショスタコービッチ交響曲第5番第4楽章

金曜日, 10月 10th, 2003

 ショスタコービッチという作曲家がいる.彼の作った交響曲の中でも,第5番は特に有名である.(詳しいことはぐぐってください.さまざまな思いを持った方がいろんなサイトを作っていらっしゃいますから.それを読むだけで一日,いや,1か月くらいは経過してしまいますよ.)
 今日たまたま日テレを見ていたら,「歴史的瞬間99!」みたいな番組をやっていた.その番組中,第5番の4楽章の冒頭部分が使われていた.これがどの指揮者による演奏なのかは知らないが,冒頭部分が非常にゆっくりで,Timpのソロ「どこどん」の後の弦あたりから急激に加速していく,という演奏だった.ちなはこの演奏が嫌いである.できれば一番はじめからかなり速いテンポでずーーっと突き進んでほしい.そんなことを思った.
 なぜそんなことを思うのか.たぶん,持っているCDが原因なんだろう.このCDは,Kurt Sanderlingという指揮者で,ベルリンフィルの演奏である.これの4楽章はいきなりかなり速いテンポで始まる.その感じがたまらなくいいと思える.
 これは,楽譜には何とかいてある?
 以前にこの曲を演奏したことはあるにはあるのだが,そのときの担当パートは銅鑼(またかよ)とトライアングルで,しかもゲネ本(つまり前日練習と本番のみ)だったため,楽譜はほとんど覚えていないのだ.でもたぶん,Kurtは間違っているんだと思う.
 しかし,とくにオーケストラの指揮者にとって,楽譜に書いてあることに忠実であることは,ときに自分の音楽性を表現できなくてもどかしいと思うことがあるのではないだろうか.
 それが如実に現れている例が,ホルストの木星の最初の3拍子になるところだろう.文字では表現できないので,気になる人は調べてほしいのだけど,楽譜通りだとかなり遅く演奏することになる.(速く演奏しているものがとても多い.)
 とかなんとかいって,結局自分が(初めて)聞いた演奏が一番ここちよいものとして認識されてしまうんだな,と適当にまとめてしまおう.