あるあると教育再生会議

木曜日, 1月 25th, 2007

 教育再生会議の第1次報告が出たが,中身は問題外だというのが第1印象である.まあ一応教育を学ぶ者としては当然の感想かもしれない.でもある程度面白い試みもあると思うのだが,気になったのはその性急さと「はじめに結論ありき」という姿勢だ.
ここでふと思ったこと.
学力をつけるためにゆとり教育をやめますってところだけど,はたして本当に「ゆとり教育」が学力低下の原因なのか?このあたりの議論はほとんどされていないように感じる.
 もっと言えば,「ゆとり教育世代は頭が悪いからけしからん.ゆとり教育をやめよう!」と言っているだけのような気がする.印象として,「これだから戦後生まれは・・・」とか「近頃の若者は・・・」と何も変わらないように思う.
 この背景には,ゆとり教育世代が起こした様々な事件,学力テストで世界一から転落したこと,ニートやフリーターなど,この世代の「生きる力」が弱っているさまががたびたび報道されていることがあるのではないかと思う.その中で,ゆとり教育世代=悪という図式ができあがってきたのではないか.
 そこから,ゆとり教育が学力を低下させたという「幻想,思いこみ」が出てきて,それがマスコミにおもしろおかしく取り上げられ,日本全体がなんとなくそう思いこんでしまったのではないか?そう,ちょうどマイナスイオンと同じように.
 これじゃああるあるを見て,脊髄反射で「納豆買いに行かなきゃ!」ってスーパーに行った主婦と,何も変わらないんじゃないのか?>教育再生会議報告
 どちらにしても,現象や言説を論理的に読み解く力, いわゆる「情報活用能力」の育成が,大人にも子どもにも求められているのだなぁと実感した.


ちなみに,今回の納豆事件はblog上でも大変話題になっている.みなさんどちらかというと,テレビ局の問題点について述べている.メディアリテラシーとか,そういう観点からの意見もたまにあるけど.
納豆ねつ造事件に見る情報番組の腐敗構造(ハコフグマン)
納豆ダイエット捏造はなぜ起きたのか(池田信夫 blog)
「あるある大事典」を存続させよう (kikulog)
あるある大事典が「一切リンクお断り」としていた心境を推察すると見えてくるもの(高木浩光@自宅の日記)
↑「リンク禁止」サイトに真正面から異を唱える方のサイト.その視点からあるあるを見ていて面白い.
あるある大事典のニセ実験と洗脳
↑ずいぶん前から問題点を指摘していたらしいサイト