映画「おくりびと」が第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したのを記念して(?)近くの映画館に早速見に行ってきた.
普段邦画はほとんど見に行かないのだが,アカデミー賞受賞とはこれまた縁起がいいし,なんとなく気になっていた(このまえの海外出張の飛行機の中でも上映されていたのだけど,このときは見なかった)ので,とくに事前情報もなく(モックンが出てる位しか知らなかった)見に行った.結論から言えば,結構おもしろかったし,よく考えてあるな,という印象であった.総じて満足であった.
ていうか,広末が出演していることすら知らなかったので,アカデミー賞受賞時の写真になぜ広末がいたのかやっと理解できた.
さて,感想だが,まず思ったのはこの夫婦はこの先うまくやっていけるのか,ということ.自分の仕事のことすら妻に言えず,さらに1800万の借金のことも妻に内緒とはちょっとどうかと思うぞ.
まあそれはさておき,この映画をきっかけに「納棺師」という職業が見直されているらしい.作品中では注意深くこの言葉を使わないようにしていたように思う.そして,最後のシーンで初めてこの言葉が出てくるが,それだけに強烈な印象を見ている人に与える言葉になっていると思う.それだけに,これまで「穢らわしい」と思われていたその職業が,この言葉があることによって「尊いもの」へと昇華する瞬間を目撃できたように思う.少なくとも私の中では,モックンの妻と同様の心の変化が起きていたように思う.
いろいろ調べていくと,納棺協会というのが協力しているらしいのだが,これは札幌の会社なのだそうだ.へぇ〜.ちな自身,実は身内の葬式にはほとんど出席したことがないので(勘違いしないでほしいが,別に親不孝者とかそういうことではない),そういう類のことがよく分からない,ということもあるのかもしれない.とにかく「納棺」という言葉は初めて耳にした.
これを機に,葬式のあり方も少しは変わるのかもしれないなどと思いながら帰途についたのであった.
ところで,件のDVDではモックンが肛門に注入されている場面で,「困っている」モックンを大写しにしているが,あれは宣伝用DVDの作り方としては失敗なんじゃないかと思うが・・・